絶品のスルメイカ(函館)
食の宝庫、といわれる北海道ですが、代表的なものは?と聞かれると海産物をあげる人は少なくないと思います。 今回はその海産物の中から、6月頃から漁が解禁されるスルメイカについてご紹介します。 函館といえばイカ!と答える方も多いと思いますが、函館でいうイカとは「スルメイカ」のことを指し、北海道や東北地方では「マイカ」と呼ぶころもあるそうです。 スルメイカは6月初めに漁が解禁となり、12月頃にかけて漁が行われるため、長期間に渡ってその味を楽しむことができます。 実は函館近海のスルメイカは、函館生まれではありません。ではどこかというと…東シナ海で生まれ、群れがエサを求めて日本海を北上するんです。 その途中にある函館周辺を通る際に、ちょうど食べ頃で旨味が強くなっているので、函館近海では昔から漁が盛ん、というわけです。 その歴史を辿ると、函館でイカ漁が始まったのは明治初期頃なんだとか。 また、漁というと早朝から始まるイメージのものが多いかもしれませんが、函館のイカ漁は夜間に行われ、集魚灯と呼ばれる光を付けた船が続々と沖に出ます。 たくさんの灯りを付けた船が沖出ている姿は「漁火(いさりび)」と呼ばれ、街中からその景色を見ることもできるのです。 そんなイカのおすすめの食べ方は、もちろん新鮮なイカ刺し! 函館で食べるイカの特徴は、お皿が透けてしまうくらい身が透明なことです。 「え、イカって白いんじゃ…」と思った方、その通りです。 実は、新鮮なイカは筋肉の組織が均等に並んでいるので、お皿が透けてしまうほど透明なのです。 しかし、イカは鮮度が落ちてしまうのが早いため、時間が経つとともに筋肉の組織が崩れ、不均一になってしまうため、私たちが普段口にしているイカは白いものがほとんと、ということのようです。 そう聞くと、一度は新鮮で透明なイカを食べてみたいですよね…。 気になる味はというと、コリコリとした食感があり、醤油につけて食べると絶品なんだとか! さらに、函館のイカ刺しは、胴体を縦に切っており、これが旨味成分をより引き出している、という話もありました。 これから冬にかけて、函館近海で獲れるスルメイカ。 そこでしか食べることのできない、新鮮で透明なイカを、ぜひ一度食べに行ってみては。