極上の海明け毛ガニ(オホーツク)
3月も終わりに近づくと、オホーツク海から「海明け」が発表される時期になってきます。 海明けとは、春になって流氷が沿岸から離れ、船舶の航行が可能になった最初の日のことをいい、流氷シーズンの終わりを告げるものでもあります。 そしてこの頃に、オホーツクの地域では毛ガニ漁が解禁され、新鮮でおいしい毛ガニが、市場にたくさん並び始めます。 毛ガニは1年中楽しむことができる海鮮としても知られていますが、それは北海道の中でも獲れる時期が地域によって異なる上に、冷凍技術が高くなったこともあるというのが理由です。 その中で、今回ご紹介するオホーツクの毛ガニの旬は3~6月頃となっています。 オホーツクの毛ガニは、3月下旬頃に漁が解禁され、夏前までは美味しく食べることができます。 特に、この時期に水揚げされる毛ガニのことを、別の呼び名で呼んでいるのはご存じでしたか? この頃のオホーツク海で獲れる毛ガニを「海明け毛ガニ」と呼ぶんです。 海明けとは先ほど説明した、流氷が離れて船舶が航行できるようになった日のことをいいますが、この日を境に毛ガニ漁が始まり、オホーツク海がにぎわうのです。 冬の間、流氷に覆われた海にはプランクトンが大量に発生します。 そのプランクトンをエサにすることで甘みや旨味が増し、引き締まった身に濃厚なカニ味噌が詰まっているという、極上の毛ガニなんです。 そもそも毛ガニが人気な理由は、通年で食べることができることの他に、タラバガニやズワイガニに比べて水深の浅い沿岸で漁獲できることもあり、北海道ではなじみの深い食材の1つになっています。 北海道では家庭に並ぶこともありますし、飲食店でも色んな種類の毛ガニ料理を味わうことができます。 むき身以外にも、カニクリームコロッケや茶椀蒸し、チャーハン、カニグラタン、おつまみとしてカニ味噌を出したりなど…。 オホーツクというよりは道南が名物ですが、北海道では「かにめし」も古くから親しまれています。 この時期ならではのオホーツクの毛ガニ、ぜひ一度味わってみては。